2016年6月24日金曜日

裁判結果のご報告とご挨拶

 以下は、今回、松江で行われた牧師のハラスメントを訴えた裁判の原告の方からの報告と挨拶です。


ーーー本文ーーー
 6月23日は今は亡き夫の命日です。わたしの夫は今から8年前に、無念の想いに目を見開いたまま、涙を流しながら入院先の病院のベッドで息を引き取りました。

 過日、5年にわたって続いた裁判が終わりました。裁判所の判決は原告側の訴えを棄却するということで全く納得いくものではありませんでした。 個人的には「理不尽極まりない」という一言ですが、この五年間、亡き夫が訴えたかった想いを側で支えてきたわたしが、裁判で夫の代弁をさせていただきました。

 しかし、こうした事柄は、今日なお多くのキリスト教会で見受けられることでもあります。その意味で、控訴することはしませんが、わたしたちと同じ悲しみを経験する人たちが二度と起こらないためにも、別のかたちで声を上げ続けていきたいと考えております。

 特に、これまでの裁判中において、色々なかたちで支えてくださった方々に、この場をお借りして篤く御礼を申し上げます。
 今回の裁判のために色々な相談やご助力いただいた多くのキリスト教会の先生方がありました。また、自死遺族自助グループ・しまね分かち合いの会・虹の方々にも色々とお世話になりました。また、この出来事について新聞社の方々にも色々と話を聞いて頂いたり、資料を送っていただいたりと色々と助けていただきました。
 また、裁判の傍聴のために島根・鳥取両県からお出でくださったり、遠くは福岡県からも駆けつけてくださる方がありましたことは、本当に心の支えになりました。
 たくさんの心ある誠実で慈愛に満ち溢れた多くの方々のご支援があったからこそ、今日まで裁判を続けることができました。心から感謝申し上げます。

  また、今回の裁判について、わたくしの弁護についてくださった安田弁護士、水田弁護士からのコメントを以下にご紹介します。


・判決が教会の運営のあり方について全くふれていないのがおかしいと思います。
 今回の裁判が五年近くもかかったのは教会の内部で起こった特殊性のある事件であったため、裁判所も慎重に扱わざるを得なかった為ではないかと思います。
・これに加え、類似の事件がほとんど無かった事も、これ程の年月を要したのだと察しています。
 また、支援者の方々が毎回多数傍聴をしていただいていたので、今回の事件の重要性を裁判官が察してくださったのではないかと思います。
・弁護士として40年近く、この仕事に携わってきましたが、原告側から提出された陳述書を被告側が陳述書を作成して下さった方々に働きかけて書き直させた例は、今回の裁判が初めてです。

ーーー本文 以上ーーー 

 わたしたち手をつなぐこひつじの会は、これからも山陰両県におけるキリスト教会内に起こる様々なハラスメントについて、そうした被害者の方が起こらないよう、また被害者の方々のサポートを続けてまいります。